2004年の新潟中越地震につづき、2005年には福岡県西方沖地震が発生したこともあり、地震被害に対する関心が高まっています。中央防災会議が2005年初めに掲げた住宅・建築物の耐震化目標は「耐震化率90%を10年以内に実現し、東海・東南海・南海地震による死者を半減させる」というものでした。これを受けて国土交通省は、住宅・建築物の地震防災推進会議を2005年2月より開催し、有識者によって具体的方策が検討されました。6月に提言としてまとめられた方策は、耐震改修に関する税制優遇措置などさまざまな事柄を含み、耐震改修促進法(1995年施行)の改正案として国会に提出され、2005年10月に成立しました。
耐震改修促進法改正内容のポイント
国土交通省の推計によれば、昭和56年以前の既存不適格建築は戸建て木造住宅で約1,000万棟(約40%)、住宅以外の一般建築物では120万棟(約35%)となっており、これらの建物を耐震改修もしくは建替えして耐震化を進めることは急務であると考えられます。
改正法の柱は、「計画的な耐震化の推進」、「行政指導の強化」および「支援措置の拡充」であり、計画における国と地方の役割を以下のように規定しています。
< 国 >耐震診断・改修の目標設定や技術指針などを記載した基本方針を作成。
<地方>上記に基づいて都道府県が耐震化率の目標や地域の実情に応じた施策内容を盛り込んで耐震改修促進計画を作成。
また、主な改正内容をあげると、
- 地震時に倒壊して道路を塞ぐ恐れのある建築物を、行政が耐震改修の指導や助言ができる特定建築物に追加。
- 災害弱者が利用する小学校や老人ホームなどを指示対象の建築物として追加。
- 指示対象建築物所有者に改修指示を出しても従わない場合は、施設名を公表。
- 耐震改修に際しての支援措置を拡充。
支援面では、耐震改修に関する情報提供や貸付費用の債務保証などを行う団体を国土交通大臣が「耐震改修支援センター」に指定できるようになっています。